あしたのにっき

輪廻転生というシステムがもしもあるなら、たぶん、地球初めてです。ムズイ。

生きることはまことに苦しく辛い

―世を呪い、人を呪い、それでも生きたい。

 

もののけ姫、エボシの庭のおさのひとこと。
腐りかけている体を横たえ死と添い寝しながら、なおも生きたいと思う人間の性。

四十路が見えてくる年齢でもののけ姫を観ると、おや、そんなセリフあったかな、というところで引っかかる。

「生きろ、そなたは美しい」

あの名言すら、呪いに聞こえてくるよね。
久しぶりにもののけ姫を観たので、最近思うことをつらつら書こう。


どうして人間は人間なんでしょう。
そんな疑問を持ったことはありませんか。
いつか太陽に飲まれて消えていく運命の地球。
そして地球の寿命の前に、人類も滅びる。

それを知って生きている生きもの、人間。
そう考えたら、もう少し有意義に、それぞれの生を大切にできなかったのか、と思うんです。

なぜ過去形か。

なんだか、取り返しがつかないことがたくさん起きている気がして。
もう間に合わないんじゃないかと思っちゃう。

私たちが生きるために壊したものは計り知れず、
例えばそれは自然環境とか、生きものとか、そういう人間以外のものは、文字通り、計り知れない。
たぶん、計り方も知らないはず。

壊したものがどれくらいか、誰も分からない。
人間が何代にも渡って、人間の都合で壊したもの。

目の前で消えていく命に、環境保全を訴えたこともあったけど、所詮私たちは欲に勝てない。

それぞれが思う幸せを手に入れることを、だれも禁じることもできなかった。
他人にも、自分にも。


あまつちのあいだにあるすべてのものを欲するは人の業というものだ。

 

ただし、その業は、自分に返ってくるとは限らない。
何世代も後に、呪いのように、返ってくる。
みんな生まれた時から、たとえ神に祝福されていても、そもそも呪われていることになる。
それに気づかず、また呪いを次世代に送る。

先祖の分まで恨みを晴らそうという心情は時にあったとしても、
先祖の分の失態を取り戻そうという心情はなかなかない。
そこにつけこんだ宗教に大枚をつぎ込んで、償いをしたことにして、今生で報われようとか、そういうことになる。

困ったものだ。

かくいう私も、もちろん業にまみれた人間の子なので、
だからと言って、過去の人間の過ちを責める気にもなれず、
そうして積み上げた世界の恩恵を手放すこともできず、
一切CO2を出さないぞ、などということももちろんできず、
ときどき空を仰いで考えてしまうのです。

なぜ私たちは生きるのか。